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地鎮祭について

皆さんが家を新築される時、「地鎮祭」を行われると思いますが、「地鎮祭」と言えば、神主(神道)をイメージされる方が多いと思います。仏教徒であっても 建築会社に任せてしまい、神主さんが行うことが現実にはあります。仏式の地鎮祭があるということがあまり知られていないようであります。

そもそも「地鎮祭」とは、
その土地の地神・水神、ことに堅牢大地神等の守護神に、土地を動土し、家屋を建築することを陳謝し、また、礼拝恭敬し供養すると共に、その土地を住み処に している全ての生物にも迷惑をかけることになるので、それらにお詫びをすると共に供養することをいうのです。
またその土地に付く邪気の退散や迷霊の成仏を祈り、土地を使わせて頂くという感謝の気持ちを表現し、その土地にまつわる地神・水神・諸霊を鎮めることであ り、その工事が障りなく進み、日々安全にして、無事完成と平安、そして施主の子孫長久・家内安全を祈願する祭礼であります。

「地鎮祭」にも種々の方法がありますが、先ず土地の状態を見て磁石で方位を調べ、祭壇の位置を決めます。中央にバケツ3~7杯の浄砂の山を造る。(穴を掘る場合もあり。)
祭壇の位置はご本尊が入り口(南)を向くように向け、縄を張った青竹の後ろに設置し、ご本尊を置き供物を供える。

供物は、塩、酒、米、水(コップ三杯)・菓子、
乾物(わかめ、昆布、スルメ、のり、削り節パック等)、
鮮魚(尾頭付き)、
野菜(大根、キュウリ、人参、ごぼう、ナス等)、
果物、お供え餅一組、ローソク二本、線香、花一対、その他に、
青竹の前に小祭壇を設け、
酒一升、米二合、塩二合、
五穀(米、麦、粟、ひえ、豆等)
経石(経文を書き入れたもの。)、鍬入れに使うくわ、これらを載せておく。

また角塔は中央の砂山にさしておく。角塔をさした砂山の周りに東西南北(四天王)の幣束を立てておき、小祭壇の前に机とイスを置き、その後ろに参列の人々 が位置する。小祭壇の前にて、読経(修法師の場合は修法を行う。)、唱題の際、中央の砂山にくわ入れを行い、塩、酒、米、五穀を混ぜる。また東西南北の砂 山の所で読経(修法)し、塩、酒、米、五穀を混ぜる。その後、参加者に加持祈祷をし、祈願・回向を行います。

尚、各砂は土嚢袋に入れておき、基礎工事の際、これ以上り掘り返さないというところで、中央、東西南北に穴を掘り、経石、角塔と共に入れ埋める。
以上のように、簡単に説明をさせていただきましたが、これはあくまでも「種々の」地鎮祭のひとつの方法の例であります。

新築、建て替え、そしてどんな小さな小屋を建てる場合でも、それぞれの規模に応じた「地鎮祭」を行うべきであり、仏教徒は仏式にて執り行うべきであると言 えます。方法、準備等については、各々の菩提寺様に相談し、菩提寺、施工業者ともよく打ち合わせを行い、万事滞りなく進めたいものです。