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日蓮聖人一代記14

〈ご入滅〉

いつのまにか聖人の身体を病魔がむしばみ、身延を離れたくない、と思ってはおられましたが、ついに、弟子や信者さんの勧めに従って、常陸(ひたち)の温泉での療養を決意して、甲州路を進まれるのでした。

9月8日身延を発ち、十日間をかけて、東京池上の大工宗仲(むねなか)・宗長(むねなが)兄弟の家に到着されたときには、筆を持つ元気さえありませんでした。
寒さが近づいた10月のある日、弟子たちを集め、日昭・日朗・日興・日向・日頂・日持という本弟子六人の六老僧を定め、仏像やお経本などの遺品分けをされました。
肌身離さず持っていたお母さんの髪の毛は、いつも聖人のお世話をした日朗上人に託され、手取り足取り指導した経一丸には、京都への布教を託されたのでした。

伝えるべきことを伝え、なすべきことをなし終え、床の間に本尊を掲げ、弟子信者とともにお題目を唱えながら、弘安5年(1222) 10月13日 午前8時、61歳の生涯を終えられました。

池上の山に季節外れの桜の花が咲き、日昭上人の打つ臨終を知らせる鐘の音が悲しく響いていました。
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