お寺紹介 お坊さんの活動 センター報(栴檀) 教え ここが知りたい
TOP教え>お釈迦様の教え04

教え

お釈迦様の教え04

―ケシの実― 《諸行無常》

この世の中に存在するものは、なに一つ変化しないものはない。すべては原因と結果によって変化し続けている。それを悟らぬ者は、迷いを生じ、苦しみの種となる。とお釈迦さまは説かれます。

昔、お釈迦さまのもとへキサーゴータミという女性がやってきました。
彼女は愛するわが子を突然病気で失ってしまい、その悲しみで途方にくれていました。キサーゴータミはお釈迦さまに、
「お釈迦さま、どうかあなたのお力で、この愛おしい子供を生き返らせてください。悟りを開かれたあなたなら、それが出来るでしょう。どうかわが子を…」
とお願いをしました。キサーゴータミの切なる願いを聞かれたお釈迦さまは、 
「キサーゴータミよ、それではその子を生き返らせてあげよう。そなたはこれから町へ行って、小さなケシの実を一つ貰ってくるがよい。そうすれば、その子の 命は蘇るであろう。ただし、そのケシの実は死人を一人も出したことのない家のものでなければならない」
とおっしゃいました。

早速、キサーゴータミは町へ行き、ケシの実を求めて尋ね歩きます。どこの家でもケシの実はありますが、死人を一人も出したことのない家はありませんでした。
トボトボとお釈迦さまのところへ戻ったキサーゴータミに、
「キサーゴータミよ、不幸なのはそなた一人ではない。生まれてきた者は誰一人死を免れることは出来ないのだよ。今そなたに必要なのは、過去に心をとらわれることでなく、明日に向かって立ち上がることなのだよ」
とお釈迦さまは諭されたのでした。
戻る次へ